武蔵国分寺種赤米(あかごめ)

2020/05/18

平成9年(1997年)東恋ケ窪の畑で「赤米」(あかごめ)が栽培されているのが偶然発見されました。1軒の農家が、代々受け継いできた種子で赤米を栽培(陸稲)しているという情報を耳にした研究者(民俗学者の長沢利明さん)がその畑を訪ね、貴重な種であることを確認したものです。
*赤米は草高が150~160cmと高く、芒(のぎ)が長いのが特長

一般に古代米と呼ばれるイネはいろいろありますが、この「赤米」は、野生種に近い原始的なイネで(在来品種であるジャポニカ種赤米イネの可能性が高い)、神饌用に西日本の3箇所(総社市、種子島、対馬)でしか栽培されていないと思われていた貴重なイネだったことから、「武蔵国分寺種赤米」と命名され、関係者には広く知られるところとなりました。

国分寺市でも、平成11年(1999年)には市報で情報を提供、希望者には種籾を配布するなどの動きはありましたが、それ以上の動きは見られませんでした。その後時を経て、平成27年からは一部農家への委託栽培が始まり、平成28年には武蔵国分寺資料館で企画展“幻の赤米“が開催されるなど、関心の高まりを見せています。

市民の間でも、東京赤米研究会(主宰:長沢利明さん)等の普及活動により、いくつかのグループが立ち上がり、赤米栽培への取組が進められています。 それらの一つとして昨年、「国分寺赤米会」の協力の下、市教育委員会主催の課外授業「わんぱく学校」の授業で「赤米」が取り上げられました。

今年も、市立第五小学校五年生の授業での「赤米」の取り組み(座学と実習)が進められています。(写真は同会による畝立てなど準備の様子です)